多趣味な社会人のブログ

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何でもできる優秀な人、人に任せる一流の人

 「あの人は何でも完璧にこなす」

 優秀な人といえば、このようにイメージするのではないでしょうか。サラリーマンの世界では、周りからの信頼を得られるでしょうし、とんとん拍子に出世するかもしれません。しかし、経営者として桁違いの成功を収めた人というのは、すべてを完璧にこなす人ではありません。優れた経営者は、自分で仕事をこなすのではなく、仕事を完璧にこなす人を使いこなすのです。自分一人でできる仕事量には限界があります。たとえ、自分でできる仕事でも、あえてほかの人に任せることによって、時間にレバレッジを利かせることができるのです。経営者に必要な能力は、仕事をこなす能力ではなく、自分よりも優秀な人たちをコントロールする能力なのです。

 私も、他人をまとめる能力を身に付けたいと思っています。とあるアルバイトの現場において、適切に指示を出すことができた時に、全体の流れが順調に進んでいることを感じました。昨今、指示待ちの若者が多いと言われますが、処理能力が高くて主体性のない人に適切な指示を出すことができれば、自分の能力を発揮できるため私にとってはむしろチャンスだと思っています。まあ私の場合は、手先が不器用で処理能力が遅いので、指示された仕事の処理だけをしていては、周りに負けてしまうのですが。

 そもそも、学校教育では定型的な問題を処理する能力しか身につきません。皆さんも、一度は受験勉強を経験してきたと思います。しかし、日本の入試はそもそも特殊な環境で行われているのです。あらかじめ答えが用意されている問題を、決まった制限時間の中で、参考書や他人の答案を見ずに解答しなくてはなりません。社会に出たら、制限時間こそ決まっているかもしれませんが、正解のない課題に取り組み、行き詰まったら他人と相談したり専門書に頼ったりするのが普通です。入試と同じような状況は、現実社会ではありえないのです。このため、幼いころから勉強漬けだった東大生でも、組織の一員としては機能しないということが起こるのです。日本の教育システムでは、チームで協力して正解のない問題に取り組む機会が少ないため、優秀な経営者が育ちにくいのだと思います。むしろ、優秀な経営者の方は、学校教育の枠組みからはみ出した人が多いように感じます。とはいっても、文科省に文句を言ってるだけでは、何も始まりません。本当に必要な能力に気づいた学生の皆さん、自分からその能力を獲得する努力をしましょう。