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【ポーカー⑧】マイハンドの活用法 前編

1.マイハンドとは

マイハンドとは、お気に入りのハンドという意味です。8月3日が誕生日なので83、ラッパーの9forにあやかって94など、誕生日や語呂合わせでマイハンドを決める人が多い印象です。もちろん、AAやAKなどは誰でも参加するハンドのため、一般的には数字の低いカードを含む弱いハンドをマイハンドといいます。

かくいう私もお気に入りのハンドを持っており、由来は伏せますが75をマイハンドとして活用しています。

ポーカーの上級者には、マイハンドなど持つべきではないという人もたくさんいます。低い数字のハンドで参加すると損をするため、マイハンドなど持たず強いハンドのみで参加すべきという理屈です。たしかにこの理屈はもっともですが、マイハンドを活用することでポーカーが強くなるという側面もあります。この記事では、マイハンドで参加することによって得られるメリットを紹介していきます。

2.マイハンドが活躍する場面

話を分かりやすくするため、この記事全体を通じて、私のマイハンド75を例に説明を進めます。

 

① ハンド A♥K♠  ボード A♦K♣2♠ (自分がオープンし、相手がコール)

このボードを見て、相手は私が持ちうるハンドをどのように想定するでしょうか?

ここでポイントになるのは、実際に持っているハンドではなく相手からどのように想定されるかが重要になります。

相手の視点に立ってみれば、オープンしたのだから強いカードを持っていそうだと考えます。「AかKどちらかのペアができているのではないか」と警戒するのが自然です。

 

② ハンド 7♥5♠ ボード 7♦5♣2♠ (自分がオープンし、相手がコール)

この場合はどうでしょうか?

相手目線に立ってみると、「AやKを持っていたけどヒットしなかったな」と想定することができます。もちろん、AAやKKなど強いペアを持っている可能性も想定する必要がありますが、AKが16種類あるのに対し、AAは6種類しか存在しないため、ポケットペアを持っている確率は一般的なハンドに比べて低いです。(ここは難しい概念なので、機会があれば別の記事で解説しようと思います)

実際には75の2ペアが完成しているのですが、相手からすればまさか低い数字2枚で参加しているとは思わないのです。大事なのは自分が何を持っているかではなく、相手が自分のハンドをどのように想定しているかなのです。

仮に相手がT9を持っていたとします。①の場面ではすでにAやKのペアができているのではないかと考え、すぐに降りられてしまいます。しかし、②の場面では、ノーペアでブラフしている可能性も考えられるため、こちらのベットに対してコールしてくれる可能性が高まります。

マイハンドは相手に読まれにくいため、強い役ができたときに相手からたくさんチップを奪うことができる魔法のハンドなのです。

3.マイハンドを通じて学べる事

先ほどはマイハンドが強い役に発展したケースを紹介しました。しかし、毎回強い役が完成するわけではありません。そうなると、むしろ負けている可能性が高まります。そうした場合はどのようにプレーすればよいのでしょうか?

 

③ ハンド 7♥5♠ ボード A♦K♣2♠ (自分がオープンし、相手がコール)

この場合、自分はほとんどのハンドに負けています。マイハンドはボードと絡まないと戦えないのでしょうか?答えは否です。Aを持っているつもりで堂々とベットすればよいのです。

なぜなら、相手には自分のハンドが見えていないからです。相手にわかるのは、自分がオープンしたという情報のみです。オープンしたということはAかKは持っているのだろうと想定してくれます。ここがポイントです。AKを持っていようが75を持っていようが、自分のハンドに関わらず、相手が考えることは一緒なのです。そのため、相手がT9であれば高い確率で降りてくれるでしょう。当たり前のことですが、自分のハンドは自分にしかわからないのです。

 

③の例を通じて伝えたかったのは、マイハンドが絡まなくてもブラフをすればポットを取れるよという話ではありません。伝えたかったのは、ポーカーはボードとハンドレンジで戦っているということです。ハンドレンジとは、自分が持っている可能性のあるハンドという意味です。いかさまでもしない限り、自分のハンドを1点に絞って当てることなど不可能なので、「2枚のうち1枚はAを持っているだろう」「2枚ともT以上のカードを持っているだろう」とぼんやり予想します。オープンしているため、32というハンドはほぼあり得ません。ありえないハンドを考えることにより、消去法で持ちうるハンドの候補を絞っていくのです。

中級者以上の人は、③のボードでは想定されるハンドのうちかなりの確率でAかKのペアが完成しているため、T9ではとても太刀打ちできないと判断しフォールドするのです。想定されるハンドレンジを考え、こちらがAを持っている可能性が高いので、実際にはAを持っていなくてもベットするという選択ができるのです。

初心者はここら辺の判断が難しいのです。ペアができたからベットする、役がないからチェックするという判断になりがちです。こうなると、役ができているときには相手に察知され降りられてしまい、完成していない時は強気にベットされて降ろされてしまいます。

私は75でオープンする時もAKを持っているつもりで戦っています。AやKが出た場合、ヒットしたつもりでベットして、実際に75が落ちた時には絡んでないふりをしてチェックしました。75で毎回参加することによって、ボードとハンドレンジを考えてプレーすることを学びました。

国内外の大きい大会で結果を残したい、ポーカープロとして結果を残したい人はマイハンドなど持たない方が良いかもしれません。期待値の高いハンドのみでプレイすることが、長期的に見て大きなプラスに働くはずです。しかし、ルールを覚え多くのハンドで降りることを覚えたレベルの人が、中級者を目指す過程でマイハンドを活用することは有効だと思います。これからマイハンドを決める人は、自分に愛着のあるハンドを選択することをおすすめします。そうすることで、楽しんでマイハンドをプレーできますし、ポットを取ったときの喜びもひとしおです。

4.まとめ

ここまで、マイハンドの活用方法について説明しました。私自身、75はAKのつもりで戦っており、75が手元に来たら当然3ベットします。3ベットをすることで相手から強いハンドと思われ、AやKが出たときにブラフでポット獲得しやすくなります。また、ボードに75や77と落ちてくれれば儲けもので、ハイカードを想定しているあいてからたくさんのチップを奪うことができます。

ただし、同じ店に何度も通って、何回もマイハンドを見せると、常連さんからマイハンドがばれてしまいます。この場合、ボードで7や5が出ると警戒されやすくなるため、ばれる前と比べてチップを奪える可能性が下がります。ですが、マイハンドは相手にばれても充分活用することができます。マイハンドがばれた後の戦い方については次回の記事で説明します。