多趣味な社会人のブログ

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【ポーカー⑪】中規模な大会で2つもインマネした話(後編)

前回の記事で、中規模な大会に参加してPLOのトナメでインマネした話を書きました。今回は、NLHのトナメでインマネした話を書きます。

 

NLHターボでインマネした話

2日目の夕方、イベントの締めくくりとして行われたNLHターボイベントに参加しました。大型イベントのラストには、大抵ブラインドの上昇が激しいターボトナメが設定されています。実はこのトナメに参加する前、2-7&バドゥギという別のトナメに参加しており、手ごたえが全くないまま敗退していました。

大会の最後ということもあり参加したのですが、インマネできるとは夢にも思っていませんでした。

①最初のエントリー

見出しで最初のエントリーと書いているため勘の良い方はお気づきかもしれませんが、序盤で一度飛んでおります。飛んだ経緯を簡単に説明すると、私がAQoでオープンし、3ベットにコールしました。(詳しいポジションは覚えていません)

ボード QJTxx (xは覚えていませんが、役に関係のないカードでした)

上のボードで相手からオールイン要求をされました。

3ベットされていたのでAKを持たれている可能性もあります。ですがこちらもトップヒットトップキッカーであること、ここまでポットにチップを投入したことを考えると降りることはできません。意を決してコールした結果、AKが出てきて飛ばされました。後から振り返ると、フロップでQJTが見えているのですから、ターンで打たれた時点で降りておくべきだったと思います。もちろん、KQやAJ、99には勝っていますが、2ペアやストレート等負けているケースも同程度存在するため、無理をしていく場面ではなかったと思います。

②リエントリーからFT進出まで

しばらく休憩してからリエントリーをしました。リエントリー後の戦いは、ポーカー人生で一番といっても過言ではない会心のプレイができました。手前味噌になりますが、1年近くアミューズに通って学んだ成果を存分に発揮できたと思います。

最初の卓ではお祭り気分でルースに遊ぶ人が2人いて、終始盛り上がっていました。そのうちの一人から、オールイン勝負でチップを大量に奪ったことで、余裕を持って戦うことができました。

中盤は、ある程度チップを持っていたため余裕を持ってプレイできました。しかし、残り2テーブルとなってATsでオープンしたワンハンド。ターン時点で7と5が計3枚落ちたマイハンドボードとなり強気にベットした結果、相手からオールインが返ってきました。こちらはAハイ(役なし)のためコールすることができず、チップを大幅に減らしてしまいました。

その後はアベレージ付近で苦しい展開が続いていました。そんな中、僥倖ともいえるKKがEPで入り、心臓が高鳴りました。私のオープンに対してBBのみコール。フロップにはAとほか2枚(ローカードだった気がしますが、覚えていません)が落ち、やや戦いづらいボードになりました。BBのチェックに対して、こちらは4分の1ほどのベットをしました。こちらがオープンしているため、Aを主張した自然なベットだと思います。これに対してBBはコール。ターンに落ちたのは何とキング!!セカンドナッツとなり、相手にAAはまずありえないためほぼ勝っている状況。どうやってバリューを取ろうか考えていると、BBからドンクオールイン!!即座にコールして、Aヒットの相手を飛ばしました。

KKセットでスタックを増やしてからは、レンジを絞って大人しく戦い、スタックを大きく減らすことなくFTまでたどり着きました。

③FT進出

FTに残った9人の中に、行きつけのお店の常連で顔見知りのプレイヤーが2人残っていました。お二方とも上手なプレイヤーでしたので、大きな舞台のFTで戦えることに喜びを感じていました。

FTではチップに余裕を持っていたので、無理せずにハンドを選んで参加しました。ショートスタックのプリフロオールインを2回受ける場面があるのですが、この大事な場面で勉強した成果をすることが発揮できました。オールインを受けた時の私のハンドはそれぞれ「KQs」「77」で、どちらの場面も自分の後ろに3、4名のプレイヤーがいる状況です。両方の場面で私は「オールイン」を選択しました。以前までの私は後ろのプレイヤーを怖がってコールで止めていましたが、アミューズで経験を重ねた私は自信を持ってオールインを選択できました

ここで、なぜコールが良くないかについて説明します。もしコールしてしまうと、後ろのプレイヤーにコールされた際に勝率が下がってしまいます。また、後ろのプレイヤーにレイズを返されると戦いづらくなってしまいます。KQsや77のように中途半端な強さのハンドで複数人の戦いにはしたくありません。1対1での対決に持ち込むのが理想です。そのため、こちらも大きなオールインを入れて後ろにいるプレイヤーを下ろすのがオーソドックスな戦略になります

幸運なことに、2回ともオールインに勝利してショートのスタックを吸収してとんとん拍子で上位3人に残り、2日連続のインマネを確定させました。FTに入ってから緊張する場面が続きましたが、参加するハンドを絞っていたことで大きな損失を被ることなくゲームが進みました。

ちなみに、KQsで戦った相手は同じ店の顔見知りで、AQo相手に運よくKを引いて勝つことができました。

④残り3人

2度のオールインでスタックを築いて以降、大きな変動なく残り3人になりました。このトナメでは3位までにプライズが出るため、この時点でインマネ確定です。スタックの状況は、私がセカンドチップリで、上下とはどちらも離れていました。3位のプレイヤーは何度か同卓したことのあるプレイヤーで、とてもうまいプレイヤーであると認識していました。終盤の立ち回りも上手く、ショートながら何度もスチールを決めしぶとく生き残っていました。

この状況において、以前までなら中途半端なハンドでオールイン勝負を受けてダブルアップを許してしまったと思います。ショートの方にダブルアップされると、私のスタックと差が縮まってしまい、戦いづらくなってしまいます

しかし、この日の私は違いました。前日の反省を生かして、無理に勝負をせず耐え続けました。ショートの方にはかなり粘られ、じれったい時間が続きましたが、最終的にはチップリとのオールイン勝負に負け、2位以上が確定しました。

⑤ヘッズアップ

数時間に及ぶ長い戦いを生き残り、ついにヘッズアップ!!

昨日は進めなかった舞台へたどり着くことができました。トータル80エントリーのトナメでヘッズアップまで残るのは初めての経験です。

お相手の方は、FTに入ってから常にチップリで、安定したプレイングで着々とスタックを築き上げていました。ヘッズアップになった時点で相手に1.5倍ほどチップを持たれていたため、どこかでチップを稼がないと優勝は難しい状況です。タイミングを見て、一か八かの勝負に出ようと考えていました。

ヘッズアップになると、プリフロでの3ベットは入らず、フロップ後も大きなベットやレイズが入らない穏やかな展開で進みました。幸運なことに戦えるハンドが入り続け、少しづつスタックを回復していきました。

細かなポットを取っていくうちに、とうとう相手のスタックを上回り、一時は優勝を意識しました。しかし、お互いのスタックが均衡してきたタイミングで、相手の打ち方が変わります。今まで3ベットはほぼなく、大人しい戦いが続いていましたが、この辺りから相手がオールインを連発してきます。頻度が増えているため、まあまあなハンドでオールインを入れているかもと思いますが、こちらもまあまあなハンドで受ける自信はありません。確信を持てる状況が来るまで耐えていましたが、プリフロップK7sで相手のオールインを受けることにしました。結果は相手からAJoが出てきてフロップにAが出現し、そのまま敗退しました。

 

⑥大会を通じて学んだこと

規模の大きな大会で、FTや残り2テーブルくらいになると、オールインして敗退したくないという考えからプレイが消極的になりがちです。しかし、ハンドレンジを固くしてしまうと、ブラインドでスタックが削られ、プレイの幅が限られてしまいます。そのため、チップを持っているうちに積極的に仕掛ける必要性があることを実感しました。レンジを広げるというのではなく、序盤と同じハンドレンジで参加し、同じようなプレイラインを取ればよいと思います

 

⑦まとめ

大会2日間を通じて、アミューズで勉強した成果を存分に発揮することができました。それにしても、インマネ2つは自分でも出来過ぎだと思います。

以前は、大きなポットを落とした際に取り返そうと焦ってアグレッションを上げ、さらにチップを失う展開にハマるパターンが多かったですが、今大会では、一時的にスタックを減らしても時が来るまで耐え、少ないチャンスをものにして順調にチップを増やすことができるようになりました。この記事を書いている10月現在、JOPTのインマネも果たしたので、これから大型大会に積極的に出場しようと思います。JOPTの結果も近い内に記事にまとめようと思うので、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。

【ポーカー⑩】中規模な大会で2つもインマネした話(前編)

仕事やプライベートが忙しく、ブログを更新できていませんでした。

今回は趣向を変えて、中規模な大会において、2つのトナメでインマネした話を書きます。かなり自慢話になりますが、ポーカー初心者の方が大きな大会でインマネするために必要な考え方も記していくので、少しでも参考にしていただければ幸いです。

 

1.参加した大会

今回私が参加したのは、地元の商業施設の1フロアを貸し切って行われる2日間の大会です。近隣から20店舗が参加し、数百人のプレイヤーが集結するちょっとしたお祭りのようなイベントでした。この大会では、2日間にわたって行われるメインイベント、KKやAJPCなどから協賛を受けたサイドイベント合わせて10個ほど開催されていました。

メインイベントは各店舗でサテライト(予選)を勝ち抜いた人が店舗を代表して戦うトナメで、サイドイベントは参加費を払えばだれでも参加できます。私はメインイベントの参加権を獲得できなかったので、サイドイベントに出場しました。

2.参加したトナメの概要

どうしても欲しかったメインイベントの権利は取れませんでしたが、仕事の日程を調整して土日を空けていたため、サイドイベントに参加しました。

1つ目のトナメは、オーソドックスなNLHです。メインイベントと時間帯がかぶっているにもかかわらず、のべ50人ほどが参加していました。FT(ファイナルテーブル)に残ると記念写真に写れるのですが、惜しくもバブルラインで飛んでいました。ワンハンド待っていればFTに残れたことを後で知り、悔しさが倍増しました。

2つ目に参加したトナメは、PLOです。PLOとは手札が4枚配られ、そのうち2枚は必ず使わなければいけないゲームです。また、ベット額にも制限があります。実はホールデム以外のゲームもたしなんでおり、特にPLOは私の気に入っているゲームです。PLOを覚えたきっかけは、ホールデムと比べて競技人口が少ないからです。海外の事情は知りませんが、少なくとも私の行動範囲にあるアミューズPLOのルールを理解している人は多くありません。今回のトナメでは、約25エントリー中3位とインマネに成功しました。詳細は次の章で述べますが、参加人数が少なかったことがインマネできた大きな要因です。

3つ目のトナメは、2日間の最後の行われた締めのターボトナメです。ターボとは、ブラインドの上昇が早く、序盤からエンジンをかける必要があるルールになっています。こちらは、80エントリー中2位という自分でも驚きの好成績を収めることができました。一時はヘッズで相手のスタックをカバーしている場面もあっただけに、トロフィーを取れなかったことが悔やまれます。ただ、始めたばかりの私だったらFTに残ることもできなかったと思うので、自身の成長を実感することができました。

3.PLOで3位になるまでの話

中型大会初インマネとなったPLOですが、このトナメは序盤からブラインドが浅く運の要素が色濃く出るルールとなっていました。序盤から中盤にかけて積極的に仕掛けていますが、ハンドが絡まずレイトレジスト30分前くらいに飛んでしまいます。

簡単に説明すると、トナメは飛んでしまってもレイトレジストの時間までなら再び参加費を払って出場することができます。これをリエントリー(リエント)と呼び、トナメレイトレジストの時間を意識して戦うのが一般的です。

参加費が1万円で、レイトレジストの時間で入ると10BBしかないため、リエントリーするか迷いました。レイトレジストの時間で残り人数が9人しかいなかったため、FTの写真に残りたいという欲望を抑えられずリエントリーを決意しました。

レイト後の数ハンドは、FTに残ることだけを考えてフォールドしまくりました。

その後一人飛んで念願のFTでプレーすることができました。FTでは、ショートスタックだったのである程度のハンドで突っ込んで増やしてを繰り返しました。インマネ(景品がもらえる順位)は3位以上だったため、9位も4位も変わらないと考えて積極的にプレイしました。その結果、いくつもの幸運に恵まれてチップを増やすことに成功しました。

チップを増やしてからは余裕を持ってプレイすることができ、インマネが決まった時点でチップリに昇格しました。わずかな差でセカンドチップリが続き、3位の方はショートという今考えれば理想的な状況でした。しかし、チップリの立ち回りに慣れていない私は大きなミスをしてしまいます。その状況を簡単に説明します。

 

 1.ちょっと良い程度のハンドでオープン

 2.セカンドチップリのレイズ

 3.コール

 4.フロップでセットが刺さる

 5.セカンドチップリのオールイン

 6.コール

 7.ターンで相手にストレート(4面待ち)を引かれ、チップを大幅に減らす

 

先に断っておくと、PLOはストレートやフラッシュといった役が作りやすい競技であり、ホールデムと比較して相手の強い役をケアしなくてはいけません。

上記を見ると、ターンで引かれてアンラッキーと思う人がいるかもしれません。たしかに、ターン以降でストレートを引かれていなければ、セカンドチップリを吸収してほぼ間違いなくトロフィーを獲得できていました。しかし、私のミスは相手のオールインを受けたことではなく、1番と3番のプレーにあります。

このチップ状況での理想は、他の2人でぶつかってどちらかが飛び、順位を上げることです。中途半端なハンドで参加するべきではありませんでした。また、セカンドチップリのレイズを受けてしまったのも良くありません。ホールデムにも言えることですが、トナメの終盤では、チップを持った相手とぶつかることは極力避けるべきです。

勝負を焦って参加した結果、降りられなくなってチップの大半を失ってしまいました。ショートに沈んだ私は、そのまま3位でトナメを終えました。インマネはしましたが、無理しなければ2位以上を狙えただけに、もやもやする結果となりました。

3.まとめ

PLOの戦いを簡潔にまとめると、運が良かったから3位になることができ、実力が足りなかったから3位で飛んでしまったといえます。

大型大会で初インマネをした嬉しさ半分、もっと上を目指せたという悔しさを抱えたまま1日目を終えました。

翌日には、PLOの反省を生かして前日を超える成績を残すのですが、詳細は次の記事でお伝えします。

【ポーカー⑨】マイハンドの活用法 後編

前回の記事でマイハンドの基本的な活用法について紹介しました。まだ読んでいない方はそちらもご覧ください。

マイハンドのメリットは、相手に読まれにくくボードと絡んだ時にたくさんのチップを奪える可能性があることでした。ただし、同じ店で何度もマイハンドを使っていると、いずればれてしまいます。私も、よく行くアミューズでは75の人として認識されるくらいマイハンドで参加しまくっています。

マイハンドはばれると使えなくなるのでしょうか?

結論を言うと、ばれても問題ありません。ばれた後は別の活用法があり、それを理解していれば一生マイハンドでポーカーを楽しむことができるのです。

この記事では、理解しやすくするために私のマイハンド75を例に説明します。

1.マイハンドがばれた後の戦い方

マイハンドがばれてしまうと、ボードと絡んでもマイハンドの影がちらついてしまい、チップをたくさん稼ぐことは難しくなります。そのため、ばれる前とばれた後では異なる戦略を取ることが求められます。私も、75を知っている相手と知らない相手では戦い方を変えています。

マイハンドがばれた後もマイハンドを活用するためには、次の2点を意識しましょう。

 

① 相手が想定するハンドレンジにマイハンドが含まれていることを理解する

少し難しい文言になりましたが、簡単に言うと自分が75を持っていると相手に想定されているということです。そのため、75の2ペアを完成させてもチップを獲得するのは難しくなります。

では、75をどのように活用すればよいのか?

結論を言うと、相手が75を想定してくることを逆用するのが効果的です。具体的には、ボードに7と5が落ちた時、自分が75をもっていなくても持っているふりをしてプレーします。ボードに75が見えたときにベットすれば、相手は75がよぎって消極的になります。常に75を持っているつもりでプレーすると、ハンドが絡んでいなくてもベットできる場面が増えます。

 

② 自分はAKを持っていると仮定してプレーする

75を持っていても、AKを持っていても、癖(テル)が出ていない限り相手には見分けがつきません。そのため、75を持っていてボードにAが出たときは、AKを持っているつもりでプレーします。ただし、このプレーをするためには、他者のオープンに対して3ベットする必要があります。最強のAKをプリフロでコール止めすることはほぼあり得ないからです。AKは3ベットに回し75はコール止めしていたら、ハンドを読まれてしまうので、75でもAKのつもりでしっかりレイズしていくことを心がけます。

75とAK両方の可能性を相手に見せることで、ハンドが絡まなくてもポットを取れる可能性が上がるのです。

 

2.マイハンドを使ってポーカーを楽しむ

マイハンドを使う最大の目的は、ポーカーを楽しむことです。75でポットを取ると得も言われぬ昂揚感に包まれます。

私は、よく行くアミューズにおいて「75の人」として認識されています。そのため、ボードに7と5が落ちると75を意識した戦いになります。

また、ベットサイズに7500点を頻繁に採用します。こうすることで、3ベットやポストフロップ以降での適切なベットサイズを理解していなくてもごまかしが効きます。

もちろん、ポーカーで生計を立てたい人はマイハンドに頼らずポストフロップやベットサイズの勉強をすべきですが、アミューズや仲間うちで楽しみたい人はマイハンドを持つことをおすすめします。

 

3.私がマイハンドを使い続けた結果

① ブラフが上達した

私は75を最強のハンドだと思っています。しかし、ボードと絡まなければショーダウンした時に負けている可能性が高くなります。75が絡まなかった場合、ボードによっては相手を降ろすためのブラフを活用しています。

ブラフをするのに適した場面は、こちらが3ベットしていてボードにAやKが出た時です。3ベットしているため、AやKを持っているふりで相手を降ろしにいきます。もちろん毎回はブラフをしませんが、降りてくれそうな相手、場面によっては積極的にベットしていきます。

75をAKのつもりでプレーすることで、ブラフしやすい場面、しづらい場面を実践を通じて学べた気がします。

 

② レンジでベットすることを学んだ

レンジベットとは、ハンドレンジを考えて行うベットのことを指します。(私も正確には分からないので、間違っていたらすみません)

例えば、こちらが8ポケで3ベットして相手がコールした場面で、以下のようなボードになりました。(この説明にスートは関係ないため省略しています)

 

ハンド 88 ボード A K Q

 

この場面、8より上のカードが3枚落ちてしまったため負けている可能性が高いです。しかし、3ベットをしたこちらはAやKを持っている可能性が高いため、ベットをするのが自然ですし、相手が下りてくれる可能性も充分にあります。

私の場合、75が来たら大体3ベットするため、常連さんから見た私のハンドレンジには75が含まれます。75のイメージを利用して、以下のボードでも積極的にベットしていきます。

1)   775

2)   864

これらのボードは、オリジナル(最後にレイズしたプレイヤー)にとってあまり嬉しいボードではありません。オリジナルは通常AやKを持っていてレイズをする可能性が高いからです。ですが、私は75で3ベットをすることが知られているため、3ベットをして上記のボードが出たとしても75と絡んでいればベットしていくことができます。

75と絡んでいればベットする。この手法はレンジベットの概念に通ずるものがあると思います。実際に75を持っているかどうかは相手にはわからないのだから関係なく、持っていてもいなくても同じようなアクションを取ることが利益の最大化につながります。

 

4.まとめ

マイハンドでほぼ毎回参加し、AKと同じようなプレイラインを意識することで、ブラフとレンジベットを身につけることができました。もちろん、マイハンドを作らずもっと強いハンドをブラフに回すべきという考えも理解できます。国内外の大きな大会で入賞したり、ポーカーで生計を立てたりしたい人はそうすべきかもしれません。

しかし、私はポーカーを楽しむためにプレイしています。ポーカーを趣味程度に嗜みたい人、始めたばかりの人はマイハンドを持つことをおすすめします。できればポケットペアより数字の違う組み合わせを推奨します。なぜなら、ポケットペアが4C2の6通りしかないのに対し、数字の違う組み合わせなら4の2乗で16通りもあるからです。

せっかくのマイハンドですから、たくさんプレイしたいものです。そのためには、低い数字2枚の連続したハンドをマイハンにすることをおすすめします。数字が近ければ、ストレートを作りやすいため、参加できるボードの幅が広がります。

皆さんもお気に入りのマイハンドを駆使して、楽しみながらスキルアップを目指しましょう。

【ポーカー⑧】マイハンドの活用法 前編

1.マイハンドとは

マイハンドとは、お気に入りのハンドという意味です。8月3日が誕生日なので83、ラッパーの9forにあやかって94など、誕生日や語呂合わせでマイハンドを決める人が多い印象です。もちろん、AAやAKなどは誰でも参加するハンドのため、一般的には数字の低いカードを含む弱いハンドをマイハンドといいます。

かくいう私もお気に入りのハンドを持っており、由来は伏せますが75をマイハンドとして活用しています。

ポーカーの上級者には、マイハンドなど持つべきではないという人もたくさんいます。低い数字のハンドで参加すると損をするため、マイハンドなど持たず強いハンドのみで参加すべきという理屈です。たしかにこの理屈はもっともですが、マイハンドを活用することでポーカーが強くなるという側面もあります。この記事では、マイハンドで参加することによって得られるメリットを紹介していきます。

2.マイハンドが活躍する場面

話を分かりやすくするため、この記事全体を通じて、私のマイハンド75を例に説明を進めます。

 

① ハンド A♥K♠  ボード A♦K♣2♠ (自分がオープンし、相手がコール)

このボードを見て、相手は私が持ちうるハンドをどのように想定するでしょうか?

ここでポイントになるのは、実際に持っているハンドではなく相手からどのように想定されるかが重要になります。

相手の視点に立ってみれば、オープンしたのだから強いカードを持っていそうだと考えます。「AかKどちらかのペアができているのではないか」と警戒するのが自然です。

 

② ハンド 7♥5♠ ボード 7♦5♣2♠ (自分がオープンし、相手がコール)

この場合はどうでしょうか?

相手目線に立ってみると、「AやKを持っていたけどヒットしなかったな」と想定することができます。もちろん、AAやKKなど強いペアを持っている可能性も想定する必要がありますが、AKが16種類あるのに対し、AAは6種類しか存在しないため、ポケットペアを持っている確率は一般的なハンドに比べて低いです。(ここは難しい概念なので、機会があれば別の記事で解説しようと思います)

実際には75の2ペアが完成しているのですが、相手からすればまさか低い数字2枚で参加しているとは思わないのです。大事なのは自分が何を持っているかではなく、相手が自分のハンドをどのように想定しているかなのです。

仮に相手がT9を持っていたとします。①の場面ではすでにAやKのペアができているのではないかと考え、すぐに降りられてしまいます。しかし、②の場面では、ノーペアでブラフしている可能性も考えられるため、こちらのベットに対してコールしてくれる可能性が高まります。

マイハンドは相手に読まれにくいため、強い役ができたときに相手からたくさんチップを奪うことができる魔法のハンドなのです。

3.マイハンドを通じて学べる事

先ほどはマイハンドが強い役に発展したケースを紹介しました。しかし、毎回強い役が完成するわけではありません。そうなると、むしろ負けている可能性が高まります。そうした場合はどのようにプレーすればよいのでしょうか?

 

③ ハンド 7♥5♠ ボード A♦K♣2♠ (自分がオープンし、相手がコール)

この場合、自分はほとんどのハンドに負けています。マイハンドはボードと絡まないと戦えないのでしょうか?答えは否です。Aを持っているつもりで堂々とベットすればよいのです。

なぜなら、相手には自分のハンドが見えていないからです。相手にわかるのは、自分がオープンしたという情報のみです。オープンしたということはAかKは持っているのだろうと想定してくれます。ここがポイントです。AKを持っていようが75を持っていようが、自分のハンドに関わらず、相手が考えることは一緒なのです。そのため、相手がT9であれば高い確率で降りてくれるでしょう。当たり前のことですが、自分のハンドは自分にしかわからないのです。

 

③の例を通じて伝えたかったのは、マイハンドが絡まなくてもブラフをすればポットを取れるよという話ではありません。伝えたかったのは、ポーカーはボードとハンドレンジで戦っているということです。ハンドレンジとは、自分が持っている可能性のあるハンドという意味です。いかさまでもしない限り、自分のハンドを1点に絞って当てることなど不可能なので、「2枚のうち1枚はAを持っているだろう」「2枚ともT以上のカードを持っているだろう」とぼんやり予想します。オープンしているため、32というハンドはほぼあり得ません。ありえないハンドを考えることにより、消去法で持ちうるハンドの候補を絞っていくのです。

中級者以上の人は、③のボードでは想定されるハンドのうちかなりの確率でAかKのペアが完成しているため、T9ではとても太刀打ちできないと判断しフォールドするのです。想定されるハンドレンジを考え、こちらがAを持っている可能性が高いので、実際にはAを持っていなくてもベットするという選択ができるのです。

初心者はここら辺の判断が難しいのです。ペアができたからベットする、役がないからチェックするという判断になりがちです。こうなると、役ができているときには相手に察知され降りられてしまい、完成していない時は強気にベットされて降ろされてしまいます。

私は75でオープンする時もAKを持っているつもりで戦っています。AやKが出た場合、ヒットしたつもりでベットして、実際に75が落ちた時には絡んでないふりをしてチェックしました。75で毎回参加することによって、ボードとハンドレンジを考えてプレーすることを学びました。

国内外の大きい大会で結果を残したい、ポーカープロとして結果を残したい人はマイハンドなど持たない方が良いかもしれません。期待値の高いハンドのみでプレイすることが、長期的に見て大きなプラスに働くはずです。しかし、ルールを覚え多くのハンドで降りることを覚えたレベルの人が、中級者を目指す過程でマイハンドを活用することは有効だと思います。これからマイハンドを決める人は、自分に愛着のあるハンドを選択することをおすすめします。そうすることで、楽しんでマイハンドをプレーできますし、ポットを取ったときの喜びもひとしおです。

4.まとめ

ここまで、マイハンドの活用方法について説明しました。私自身、75はAKのつもりで戦っており、75が手元に来たら当然3ベットします。3ベットをすることで相手から強いハンドと思われ、AやKが出たときにブラフでポット獲得しやすくなります。また、ボードに75や77と落ちてくれれば儲けもので、ハイカードを想定しているあいてからたくさんのチップを奪うことができます。

ただし、同じ店に何度も通って、何回もマイハンドを見せると、常連さんからマイハンドがばれてしまいます。この場合、ボードで7や5が出ると警戒されやすくなるため、ばれる前と比べてチップを奪える可能性が下がります。ですが、マイハンドは相手にばれても充分活用することができます。マイハンドがばれた後の戦い方については次回の記事で説明します。

【ポーカー⑦】練習問題

これまでの記事で、初心者の方に覚えてほしい基礎的な知識を並べました。今回は、趣向を変えてこれまでの知識を踏まえた練習問題を出したいと思います。なお、解答はあくまでも私の主観によるものであり、GTOやソルバーなど解析ソフトの裏付けはありませんのでご了承ください。

 

問1)あなたはA♣8♦を持っています。次のうち、どちらのボードが自分にとって好ましいか選んでください。

ハンド A♣8♦  

① ボード J♦T♥9♣2♠

② ボード 7♦6♥5♣2♠

 

答1) ②

どちらもオープンエンドですが、①ではQが落ちた場合、K相手に上ストレートを完成されてしまいます。②の場合、9が落ちても相手がT8を持っていない限り勝っています。

 

問2)あなたは9♣8♦を持っています。次のうち、どちらのボードが自分にとって好ましいか選んでください。

① ボード J♦T♥3♠2♣

② ボード T♦7♥3♠2♣

 

答2) ②

この問題は少々難しかったと思います。

1番のポイントは、上ストレートに負ける可能性の有無です。①でQを引いた際、AKに負けてしまいますが、②でJを引いても上ストレートは完成しません。①では7を引いた場合のみナッツストレートとなりますが、②ではJと6どちらを引いてもナッツストレートの完成です。

また、ストレートの気づかれにくさという点でも②は優れています。なぜなら、①のボードでは98、KQのどちらもオープンエンドになりますが、②では98しかオープンエンドにならないからです。(厳密には32がでているため45もオープンエンドになりますが、ここでは無視してください)また、Jが落ちても数字がつながっていないため、ストレートに気づかれにくいのです。下記の2つを見比べると一目瞭然です。

甲 7♥6♦5♣4♠2♠

乙 J♥T♦7♣3♠2♠

 

問3)以下の状況で、より好ましいリバーカードはどちらか選んでください。

ハンド A♣8♦ ボード J♦T♥9♣2♠

① リバー Q♥

② リバー 7♥

 

答3) ②

①のようにQが落ちてしまうと、相手にKを持たれていた場合に上ストレートが完成してしまいます。この問題は、今までの記事を読んでくださった方には簡単だったのではないでしょうか。

 

問4)以下の状況で、より強力なのはどちらか選んでください。

① ハンド 7♥5♦  ボード  8♥6♣2♠

② リバー 8♥7♦  ボード  6♥5♣2♠

 

答4) ①

便宜上正解は①としましたが、実際この2つの状況はあまり差がありません。①を正解にした理由は、相手にオープンエンドを持っていることを気づかれにくいからです。87のように連続したハンドは想定しやすいですが、7と5のように1つ数字が離れたハンドのオープンエンドは想定しにくいのです。ちなみに、数字が1つ飛んでいるハンドを「ワンギャッパー」といいます。

 

問5)この問題は趣向を変えます。①と②はどちらもトップヒットトップキッカーです。では、①が②よりも価値の高い状況である理由を説明してください。

 

① ハンド A♥Q♦  ボード Q♣6♠2♥

② ハンド A♥8♦  ボード 8♣6♠2♥

 

答5) ターン以降で逆転される可能性が低いから

どちらもトップヒットトップキッカーなので、現状は両方とも強い状況です。では、なぜ①の方が優れているかというと、①の方がターン以降で逆転される可能性が低いからです。どういうことかというと、①の場合Qより大きいカードはKとAしかありません。Aが出た場合、自分もAを持っているため2ペアに昇格します。逆転されるケースは、ターン以降でKが落ちて、相手もKを持っているケースくらいしかないのです。

②は現状トップヒットトップキッカーではありますが、9~Kのいずれかが落ちると逆転される可能性があります。もちろん、相手がそのカードを持っているとは限らないのですが、相手のハンドが見えていない以上高位のペアを警戒する必要があります

また、②で負けているケースとしては相手に9以上のペアを持っているケースがあります。①ではQ、K、Aのペアにしか負けていません。(6、2のペアについては①と②で同条件ナタメここでは無視します)Q、K、Aのペアに関してはレイズなど強いアクションをすることが多いため読みやすいですが、9~5など中間のポケットペアについてはプレミアハンドほど強いアクションを取らないケースが多いため、読みづらいのです。

AKがプレミアハンドといわれるゆえんは、AとKどちらがボードに出てもトップヒットトップキッカーになるからです。A8を持っていた場合、Aが当たっても相手のAxキッカー9以上に負けていますし、8が当たってもトップヒットになる可能性は低く、トップヒットになったとしても上のカードが多いため負けているハンドの種類が多いのです。

初心者の頃、Aがあれば強いと考えがちですが、もう1枚のカードが中間以下の場合はそこまで強くありません。個人的な意見になりますが、オフスートの場合はAT以下、スーテッドの場合はA8以下のハンドはそこまで強くないと思います。

 

まとめ

ポーカーを始めた頃、勝っていると思っていたハンドで負けていることが多々ありました。主な理由は、自分のハンドが強いと思っていても相対的に考えて弱いことに気づかなかったためです。こういった自分のハンドに対する間違った評価をなくすための近道は、このハンド、状況がなぜ強いのかを論理的に考えることです。具体的には、相手の持っている可能性がある複数のハンドに対して、どのくらいのハンドに勝っているかを想定します。もう一歩踏み込むと、ターンリバーに落ちるカードでどのくらいまくられるか、まくられやすい状況であるかを分析することで、現状の評価を制度の高いものにすることができます。

次回は、愛着のあるハンド「マイハンド」について分析します。

【ポーカー⑥】強かったハンドが弱くなるケース 後編

1.フラッシュ・ストレートが弱くなるケース

 ハンド A♥5♥  ボード K♥Q♥9♥

よし、パッツモ(一発ツモの略)フラッシュ完成。しかもナッツフラッシュなので盛大にガッツポーズをかまします(もちろん心の中で)。そしてターン、リバーまで進んだボードがこちら。

ボード K♥Q♥9♥9♦9♣

ターン、リバーでどちらも4が出ました。このボードでAハイフラッシュはどのくらい強いでしょうか?結論を言うと、それほど強くありません。なぜなら、4が3枚出たためにフルハウスが完成しやすくなっているからです。具体的には、KかQを1枚でも持っていれば、フルハウスの完成になります。さらに、7ポケや5ポケなどポケットペアを持っていてもフルハウスが完成します。そのため、ボードに同じカードが3枚出たときフルハウス未満の役は弱くなってしまいます。

 

 ハンド J♥T♦  ボード K♣Q♦9♥9♦9♣

こちらも、①と同様リバーの時点でストレートの価値が下がっています。補足しておくと、ターンまではストレートの価値が高いです。9が2枚出ている場面では、フルハウスを完成するためのハンドが、K9、Q9、KK、QQしかないからです。むしろ、A9など9のトリップスを完成させた相手からたくさんチップを奪えそうな場面になります。

 

2.セットが弱くなるケース

セットが弱くなるケースは以前の記事でも紹介しましたが、再度深堀りします。

 

carpstar.hatenablog.com

① ハンドK♥K♠ ボード K♣Q♣J♣T♥

このボードではフラッシュやストレートが見えるため、Kトリップスの価値は下がってしまいます。セットは相手に気づかれづらいため、通常では強い役となりますが、フラッシュやストレートがありうるボード(ウェットなボード)では、負けている可能性が高まります

場面を進めて、リバーでT♦が落ちました。ハンドの強さはどのように変化したでしょうか?

結論を言うと、かなり強くなりました。理由は、Tが重なったことによりKのトリップスがフルハウスに昇格したからです。負けているハンドは、A♣T♣、T♣9♣、T♣T♠の3つしかありません。フルハウスはストレートやフラッシュより強い役ですから、それらの役を恐れず積極的にプレイすることができます。むしろ、相手にフラッシュやストレートが完成していれば、たくさんのチップを奪うことが可能になります

このように、セット+ボードペアというボードはハーデスのペルセポネ演出くらい激熱な状況なのです。(ハーデスは現在撤去されています)

 

3.ストレートが弱くなるケース

① ハンド8♥7♠ ボード J♣T♦9♥

よっしゃ!ストレート完成。しかもレインボー(スートが全て異なる)ボードなので、フラッシュも完成しづらく、ストレートの価値が高まります。

 

①-1 ターン 8♠

状況はどのように変化したでしょうか?

結論を言うと、ストレートの価値がかなり下がりました。自分のハンドは7~Jのストレートですが、相手にQを持たれていると8~Qのストレートが完成してしまいます。ストレート同士がぶつかって、上のストレートに負ける場面は実戦でもしばしば見受けられます。

 

①-2 ターン Q♠

今度はどのような状況でしょうか?

Qが落ちたことにより、こちらのハンドは8~Qのストレートに進化しました。しかし、ハンドの価値は下がっています。理由は、相手がKを持っている場合に9~Kのストレートが完成するからです。

 

一点補足しておくと、フロップ時点でも上ストレートに負けている可能性があります。しかし、負けているハンドはKQ、Q8の2種類で、カードが2枚揃っていないと完成していません。ターン時点でハンドが弱くなる原因は、相手に1枚のカードで逆転されてしまうからです。

 

まとめ

フラッシュ、ストレートが完成した場合、以下の2点に注意する必要があります。

1.上位の役

2.同じ役のハイカード負け

常にどのハンドに負けているかを考えることで、大きな損失を防ぐことができます。

初心者がやりがちなポーカーのミスで、比較的損失が大きいのが勝っていると思ってたくさんベットしたら負けていたというパターンです。私自身、このミスを減らすよう意識したことで大幅にトナメの成績を向上させることができました。ストレートだから強い、フラッシュだから強いという絶対的な考えではなく、このボードでストレートはどのくらい強い、フラッシュはどのくらい強い、とボードと照らし合わせて役の強さを相対的に判断していくことが、トナメで結果を残すうえで重要になります。

【ポーカー⑤】強かったハンドが弱くなるケース 前編

「あれ、このハンド負けてるの?」

ショーダウンして勝っていると思ったのにチップが相手の所へ・・・

ポーカーを始めたばかりの頃、こんなケースが何回もありました。もしかしたら、これを読んでいる皆さんも同じような経験があるかもしれません。勘違いでチップを受け取ろうとして恥をかくだけならまだしも、勝っていると思ってチップを大量に失ってしまったら悲惨です

残念な事態を防ぐために、初心者が勘違いしやすい場面を解説します。

1.2ペアが消える

① ハンド 7♥5♥  ボード A♣7♦5♦2♣

この時、75の2ペアが完成しています。相手がAのワンペアであれば、大量にチップを奪えそうな場面です。

リバーで落ちたカードは2♥

フラッシュボード(同じスートが3枚以上落ちたボード)にならなくて良かったと胸をなでおろします。そして、意気揚々と大きなベッドをした結果、コールしてくれた相手のハンドはA♦K♣。よっしゃ、ポット獲得!と思った瞬間、ポットは相手の所へ・・・

どうしてポットを取られたのでしょうか。状況を整理すると、自分の役は7♥7♦5♥5♦A♣の2ペア。対して、相手の役はA♦A♣2♥2♣K♣の2ペアです。同じ2ペアの場合、大きい方の数字を比較して判定します。その結果、7<Aとなり、相手の勝ちとなるのです。ボードにペアができた場合、上位の2ペアを見落としやすいので注意が必要です

 

② ハンド A♥2♥ ボード  A♣7♦5♦2♣

よし、2ペアが完成!!A7、A5の2ペア以外には勝っている嬉しい場面です。AKの相手が居たら最高ですね。

リバーで落ちたカードは5♥

フラッシュもストレートも完成しないボードで最高です。大きくベッドしてショーダウン。相手はA♦Q♣。特大ポットゲットだぜ!と思って手を伸ばした瞬間、チップは明後日の方向へ・・・

解説します。勘のいい方はお気づきかもしれませんが、リバーで5が落ちたことにより、2のペアが消えてしまったのです。そのためキッカー勝負になり相手に軍配が上がりました。

自分 A♥A♣5♥5♦7♦

相手 A♦A♣5♥5♦Q♣

キッカーQの差で相手の勝利です。ちなみに、自分のキッカーは2ではなく7になります。7がペアになったことで、ハンドの2♥は完全に仕事をしておりません。

また、7♦の所がK♦だった場合、引き分け(チョップ)になります。相手のQも仕事をサボっているからです。

自分 A♥A♣5♥5♦K♦

相手 A♥A♣5♥5♦K♦

 

②のボードで、仮にA7を持っていた場合、どうなるでしょうか?この場合、自分の役はAと7の2ペア(A♥A♣7♥7♦5♦)となり、AQの相手に勝つことができます。ボードの5のペアは消えている状態です。

 

ボードにAが落ち、A以外ペアができたときに注意が必要です。真ん中の2ペアは、A持ちの相手に負けてしまいます。逆に、自分がAを持っていてボードでペアができたときは強めの2ペアを持っていることになります。

 

2.フラッシュが弱くなるケース

① ハンド 7♥5♥  ボード Q♥4♥3♣2♥

スーテッドを持っていて、フロップかターンでフラッシュを完成させた場合、どんと構えてプレイすることができます。万一65を持たれていようが、フラッシュの方が強いのですから、ストレートを心配して委縮する必要もありません。

リバー 8♥

リバーにもハートが落ちました。俗にいう1枚フラッシュボードの完成です。自分はハートを2枚持っているから4枚目のハートが出たって関係ない、と思う人も少なからずいると思います。しかし、すでにフラッシュが完成しているから関係ないやと積極的にチップを賭けては痛い目に遭います。

相手のハンド A♥Q♣

この時、役判定は下記の通りとなります。

自分 Q♥8♥7♥5♥4♥

相手 A♥Q♥8♥4♥2♥

両者ともフラッシュが完成しており、高位のカードの差で相手に軍配が上がります。

この現象、1枚フラッシュボード(同じスートが4枚落ちたボード)の時に起きやすいのです。

なぜなら、ボードに♥が3枚しか出なかった場合、

1)2枚ともハートである

2)1枚は9♥より大きいカードである

両方のパターンを満たさないと勝つことができません。しかし、ボードに♥が4枚出た場合、2の条件だけで7♥5♥を上回ることができるのです。A♥の相方は何でも良いわけですから、♥3枚ボードと比べて負けている可能性は格段に上がります

 

ここまでの理解度を確認するための問題を出します。次のうち、負けている可能性が高いのはどちらでしょう?

② ハンド K♥J♥  ボード 9♥7♥4♥3♣2♣

③ ハンド K♥J♣  ボード 9♥7♥4♥3♥3♣

正解は③です。

状況を整理すると、どちらもKハイフラッシュが完成しており、負けているのはAハイフラッシュのみという状況です。2番目に最強な状況をセカンドナッツと呼んだりします。

どちらもセカンドナッツが完成しているため、同じ強さに思えますが、2つの状況には明確な差が生じています。その差は負けているハンドの多さです。

②はA♥ともう1枚♥のカードを持たれていた場合負けています。

③はA♥を1枚持たれているだけでAハイフラッシュが完成し、Kハイフラッシュは負けてしまいます。ナッツフラッシュではない場合、1枚使い(ボード4枚)のフラッシュは2枚使い(ボード3枚)のフラッシュに比べて負けている可能性が高いのです。ただし、ナッツフラッシュを持っている場合は、自分が最強のフラッシュを持っているため1枚フラッシュでも2枚フラッシュでも関係ありません。

また、2枚フラッシュが強い理由はもう一つあります。それは、いくらスーテッドでも小さいカードで参加しないからです。例えば、4♥2♥で参加しようとは思わないでしょう。それは相手も同じです。②のシチュエーションで、相手がA♥を持って参加しようと思うハンドは何でしょうか?

プレイスタイルや状況にもよりますが、A♥2♥はプリフロで降りるはずです。A♥の相方はある程度強くないと参加できません。しかし、A♥K♥やA♥J♥の可能性は、自分が持っていることによって消えています。そのため、A♥の相方は、Q♥T♥8♥くらいしかないのです。

自分が持っているカードは相手は持っていない。当たり前に聞こえますが、この考え方はものすごい重要になります。これをブロッカーといい、上級者はこのブロッカーを使って相手のハンドを絞り込んでいきます。ブロッカーについては、機会があれば記事を書こうと思います。

3.まとめ

今回は1つの記事にまとめようと思ったのですが、詳しく解説したいという思いに加え、強いと思って実は弱くなっていたケースをいくつも思い出してしまったため、残りは後編で説明しようと思います。前の記事でも説明しましたが、どんなハンドに負けているかを想定することで、自分のハンドがどれくらい強いか考えることができます。1ペアだから弱い、フラッシュだから強いというのは的外れなのです。