競馬史上最大の盛り上がりを見せた、500万下のレース

　福島９レース開成山特別。福島の夏開催で500万下のレースなんて、普通は注目しません。しかし、今年の開成山特別は違います。障害重賞を9連勝中（うちJ・G1を5勝）のオジュウチョウサンが出走するからです。しかも、鞍上は4000勝を目前にしている武豊騎手ということもあり、G1並みの注目が集まりました。しかし、平地レースへの出走は4年8か月振りであり、しかも平地での勝利経験はありません。障害と平地の二刀流ということで話題は集めていましたが、馬券的には難解だと思った競馬ファンも多いと思います。こんな競馬ファンの思いが、オジュウチョウサンの単勝2.0倍というオッズにも表れています。近走、J・G1で単勝1倍台が続いた馬が、500万下のレースで2倍という状況が、オジュウチョウサン平地挑戦の破天荒さを表しています。相手は、たかが1、2勝しかしてないといっても、平地を専門に戦ってきた馬です。負ける可能性も十分考えられる中で、オーナーは文字通り大きな賭けに出たと思います。この状況の中で、危なげなく勝利に導けた武豊騎手は、まさに競馬界のレジェンドです。オジュウチョウサンの勝利が、新たな歴史の扉を開けてくれたのだと思います。オーナーも明言しているように、有馬記念にも出走していただきたいものです。