【ポーカー⑥】強かったハンドが弱くなるケース 後編
1.フラッシュ・ストレートが弱くなるケース
① ハンド A♥5♥ ボード K♥Q♥9♥
よし、パッツモ(一発ツモの略)フラッシュ完成。しかもナッツフラッシュなので盛大にガッツポーズをかまします(もちろん心の中で)。そしてターン、リバーまで進んだボードがこちら。
ボード K♥Q♥9♥9♦9♣
ターン、リバーでどちらも4が出ました。このボードでAハイフラッシュはどのくらい強いでしょうか?結論を言うと、それほど強くありません。なぜなら、4が3枚出たためにフルハウスが完成しやすくなっているからです。具体的には、KかQを1枚でも持っていれば、フルハウスの完成になります。さらに、7ポケや5ポケなどポケットペアを持っていてもフルハウスが完成します。そのため、ボードに同じカードが3枚出たときフルハウス未満の役は弱くなってしまいます。
② ハンド J♥T♦ ボード K♣Q♦9♥9♦9♣
こちらも、①と同様リバーの時点でストレートの価値が下がっています。補足しておくと、ターンまではストレートの価値が高いです。9が2枚出ている場面では、フルハウスを完成するためのハンドが、K9、Q9、KK、QQしかないからです。むしろ、A9など9のトリップスを完成させた相手からたくさんチップを奪えそうな場面になります。
2.セットが弱くなるケース
セットが弱くなるケースは以前の記事でも紹介しましたが、再度深堀りします。
① ハンドK♥K♠ ボード K♣Q♣J♣T♥
このボードではフラッシュやストレートが見えるため、Kトリップスの価値は下がってしまいます。セットは相手に気づかれづらいため、通常では強い役となりますが、フラッシュやストレートがありうるボード(ウェットなボード)では、負けている可能性が高まります。
場面を進めて、リバーでT♦が落ちました。ハンドの強さはどのように変化したでしょうか?
結論を言うと、かなり強くなりました。理由は、Tが重なったことによりKのトリップスがフルハウスに昇格したからです。負けているハンドは、A♣T♣、T♣9♣、T♣T♠の3つしかありません。フルハウスはストレートやフラッシュより強い役ですから、それらの役を恐れず積極的にプレイすることができます。むしろ、相手にフラッシュやストレートが完成していれば、たくさんのチップを奪うことが可能になります。
このように、セット+ボードペアというボードはハーデスのペルセポネ演出くらい激熱な状況なのです。(ハーデスは現在撤去されています)
3.ストレートが弱くなるケース
① ハンド8♥7♠ ボード J♣T♦9♥
よっしゃ!ストレート完成。しかもレインボー(スートが全て異なる)ボードなので、フラッシュも完成しづらく、ストレートの価値が高まります。
①-1 ターン 8♠
状況はどのように変化したでしょうか?
結論を言うと、ストレートの価値がかなり下がりました。自分のハンドは7~Jのストレートですが、相手にQを持たれていると8~Qのストレートが完成してしまいます。ストレート同士がぶつかって、上のストレートに負ける場面は実戦でもしばしば見受けられます。
①-2 ターン Q♠
今度はどのような状況でしょうか?
Qが落ちたことにより、こちらのハンドは8~Qのストレートに進化しました。しかし、ハンドの価値は下がっています。理由は、相手がKを持っている場合に9~Kのストレートが完成するからです。
一点補足しておくと、フロップ時点でも上ストレートに負けている可能性があります。しかし、負けているハンドはKQ、Q8の2種類で、カードが2枚揃っていないと完成していません。ターン時点でハンドが弱くなる原因は、相手に1枚のカードで逆転されてしまうからです。
まとめ
フラッシュ、ストレートが完成した場合、以下の2点に注意する必要があります。
1.上位の役
2.同じ役のハイカード負け
常にどのハンドに負けているかを考えることで、大きな損失を防ぐことができます。
初心者がやりがちなポーカーのミスで、比較的損失が大きいのが勝っていると思ってたくさんベットしたら負けていたというパターンです。私自身、このミスを減らすよう意識したことで大幅にトナメの成績を向上させることができました。ストレートだから強い、フラッシュだから強いという絶対的な考えではなく、このボードでストレートはどのくらい強い、フラッシュはどのくらい強い、とボードと照らし合わせて役の強さを相対的に判断していくことが、トナメで結果を残すうえで重要になります。