主張したいなら事実を書け!!
タイトルを読んで違和感を感じた方、鋭いです。ほとんどの文章は、意見と事実で構成されます。主張したいことがあるなら意見を多く書いたらいいのでは、と思われる方も多いと思います。しかし、主張したいことがあるなら、意見ではなく事実を積み重ねるべきなのです。ためしに二つの文章を比較してみましょう。
「義務教育にはお金がかかりすぎている。小学校に入学する前にはランドセルを買わなくてはいけないし、上履きや体操服もそろえなくてはいけないではないか。さらに、林間学校や修学旅行にもお金がかかるとは何事だ。日本の義務教育は無償ではなかったのか」
「義務教育は無償で受けられることが日本国憲法で保障されています。では、子供を公立小学校に通わせたときの費用について見てみましょう。
ランドセル 4万円
上履き、体操服等 1万7千円
文房具 1万4千円(6年間)
林間学校 3万円
修学旅行 4万5千円
学級維持費 1万2千円(1年間)
(参照:政府統計の総合窓口子供の学習費調査)
林間や修学旅行があるため学年によっても異なるが、子供を学校に通わせるためには、毎年平均6万円の費用がかかります」
いかがでしょうか?
上の文章は意見だけで構成されています。一方、下の文は事実だけで構成しています。両方とも極端な例ではありますが、客観的な事実だけで構成されている下の文章の方が説得力があったのではないでしょうか。文章中に具体的な数字を入れると、説得力が増します。さらに、下の文章では一切意見が書かれていないため、読み手に考えさせることができます。おそらく、皆さんは「公立の小学校に通わせるだけで年間6万円もかかるのか!」と驚いたのではないでしょうか。この部分が筆者の伝えたい内容なのですが、それをあえて書かず、読者に自発的に考えさせています。人に押し付けられた結論よりも、自分で導いた結論の方が納得できますよね。
説得力のある文を書きたいときは、あえて客観的事実を多めに書いてみてください。説得力が格段に増すはずです。