【資産形成】投資信託の選び方
以前長期の資産形成には「つみたてNISA」が向いているという記事を書きました。
記事の中で「投資信託はリスク分散に優れている金融商品である」と紹介したのですが、今回は投資信託の選び方について解説していきます。
おさらいにはなりますが、投資信託の優れている点は銘柄の分散がされている点でした。つみたてNISAでは、毎月定額を入金することで時間の分散もなされます。これらの特徴から、投資信託は長期投資に向いている商品であるといえます。
しかし、投資信託にも多様なラインナップがあり、金融商品になじみのない人は何を選んだらいいか判断に迷うと思います。
そこで、この記事では投資信託を選ぶ基準について紹介します。
1.ノーロード
ノーロードとは、購入時に販売手数料のかからない商品のことです。投資信託は株式と比べてローリスク・ローリターンの設計になります。値下がりするリスクが低い代わりに、大儲けできるか可能性も低いのです。
なので、投資信託を選ぶうえでもろもろの手数料が重要になってきます。
大手証券会社が販売している商品の中には、販売時手数料を5%近く取られる商品もあります。販売時手数料は、運用成績の良し悪しにかかわらず取られてしまいます。
販売時手数料5%、100万円の投資信託を買うときには5万円の手数料がかかるのです。仮に評価額が元本割れしてしまっても、5万円は返ってきません。逆に言うと、5%以上の利益が出ないと手数料の元が取れないのです。
ただし、つみたてNISAで販売できる投資信託はノーロードの商品に限定されています。なので、つみたてNISAを利用して投資信託を購入する人は、販売手数料を気にする必要はありません。
気を付けてほしいのは、大手証券会社の営業マンにセールスをかけられたときです。証券会社側からすれば、販売手数料は商品の運用成績に関係なく得られる収益なので、販売手数料の高い商品を売りたがります。販売手数料の高い投資信託は、アクティブ運用と呼ばれるハイリスク・ハイリターンを目指すものが多く、高利回りをアピールしてきます。
しかし、高い利回りを目指すということはその分だけ下落するリスクも大きいということです。元本が目減りしたうえに高額な販売手数料まで取られては泣きっ面に蜂です。投資信託にそこまで詳しくない人は、とりあえずノーロードの投資信託を選ぶようにしましょう。(そもそも証券会社のセールスを追い返した方がよいかもしれません)
2.信託報酬が低い投資信託
信託報酬とは、投資信託を保有している間にかかる手数料のことです。信託報酬が5%かかるということは、100万円の投資信託を買って、評価額が100万円のままだった場合、5万円取られるということです。つまり、元本が5万円目減りします。大きな利益を出し続けられないなら、預金に回した方がましです。
信託報酬はさすがにどの商品でもかかります。私がポートフォリオに組み込んでいる「たわらノーロード日経225」の信託手数料は約0.2%です。この数値は極端に低い例ですが、個人的には信託報酬が1%を超えたら高すぎだと思います。
信託報酬についても、つみたてNISAで取り扱っている商品には制限があります。国内株式のインデックス商品であれば0.5%以下というように、それぞれ基準が設けられているので、迷ったらつみたてNISAの対象商品から選べば問題ないと思います。
3.分配金再投資
分配金再投資とは、運用によって得られた利益を配当金として還元せず、再び運用に回すということです。
投資信託には1か月ごとや1年ごとに運用成績によって配当を出す商品があります。一見すると、決まった時期に配当をもらえる可能性があるので魅力的に感じるかもしれません。しかし、配当を出すよりも運用によって得られた利益を回す方が、長い目で見たときに得をします。なぜなら利益を資産額に加えることで複利効果の恩恵を存分に享受でき、資産が雪だるま式に増えていくからです。
まとめ
投資信託は、株式やREITなどと比べてローリスク・ローリターンな性質を持っています。そのため、販売手数料や信託報酬などのコストは大きな出費になります。なので、できるだけコストの低い商品を選びましょう。
どの投資信託を買ってよいか判断できないのであれば、つみたてNISAの口座を開設し、その中から複数の商品を選ぶことをお勧めします。
私も、「日経225」「先進国株式」「新興国株式」の3商品を保有しています。つみたてNISAであれば、購入した後で毎月の金額を変更することができるので、とりあえず何種類か買っておくのもおすすめです。
投資信託を保有するだけで手数料がかかるなら銀行に預けた方が良いという意見もあります。その意見も半分は理解できますが、それでも投資信託を保有することによって長期の資産形成ができるメリットの方が大きいと思います。
金融用語集
ローリスク・ローリターン
大幅に値下がりする可能性が低く、大きく値上がりする可能性も低い商品。
一般的にローリスク・ローリターンかハイリスク・ハイリターンのどちらかであり、ローリスク・ハイリターンの商品は存在しない。仮に存在したとしても、そのような商品は大量に買い込まれ値上がりするため、リターンが少なくなる。少ないリスクで大儲けといったうたい文句の商品はまず買わない方が良い。
ノーロード
投資信託の販売時に手数料がかからないタイプの商品。つみたてNISAの対象となっている投資信託はすべてノーロードのものである。
アクティブ運用
市場の平均を上回る利回りを目指して運用される商品。対義語は「パッシブ運用」といい、市場の平均に連動する成果を目指して運用される商品。一般的にアクティブ運用の商品の方が手数料は高くなる。
金融の世界では資産構成という意味で使われます。私のポートフォリオは預金〇%、株式〇〇%、投資信託〇〇%といった具合です。日本人のポートフォリオは預金の割合が極めて高く、投資に回す割合が少ない傾向にあります。