多趣味な社会人のブログ

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【私が自転車競技を愛する理由】 3.山岳コース

 前回は主に平坦ステージでのレース展開について説明しましたが、今回は山岳ステージについて説明します。

 山岳ステージでは、当然ながら登坂力のあるクライマーが活躍します。ステージにいくつか設けられている山頂では、勾配の厳しさなどにより4級山岳~超級山岳まで分けられ、超級山岳ではたくさんのポイントが入るシステムになっております。

 また、山岳ステージでは逃げ切り勝ちが狙いやすいので、ステージ優勝を狙う選手も積極的に逃げに乗ります。そのため、山岳ポイントを狙うクライマーとステージ優勝を狙う選手、合わせて30名程度の逃げ集団が形成されることもあります。山岳クライマーとステージ優勝を狙う選手、両者ともメイン集団からリードを奪いたいという思惑が一致しているので、協調して逃げのペースを構築することになります。

 山岳ポイントが設定された中間地点が近づくと、山岳賞狙いの選手は通過順位を争い、ステージ優勝を狙う選手はクライマーに譲ります。なので、逃げ集団内に山岳賞狙いの選手が1人しかいない場合、特に争いは発生しません。主なポイント地点を通過したクライマーは、ペースを緩めてメイン集団に戻ることも多いです。

 一方、総合優勝を狙う選手を擁したメイン集団は無駄な体力を使いたくないので、あえて逃げ集団を追うことはしません。総合優勝を目指す選手は、ほかの総合系選手に遅れを取らないことが大事なので、総合優勝に関係のない逃げ集団を追う必要がないのです。しかし、メイン集団の中でも残り数10㎞地点から仕掛けることはあります。他の総合系選手に少しでもタイム差をつける狙いです。メイン集団から仕掛ける選手にはライバル選手やそのアシストが反応するためアタックが決まりづらいですが、アタックが成功すればライバルにタイム差をつけることができます。山岳ステージは総合系の選手が遅れを取ることも多く、総合順位が動きやすいステージともいえます。

 また、山登りが苦手なスプリンターはクライマーやメイン集団に遅れてゴールすることになります。規定の時間を過ぎるとタイムオーバーになってしまうので、スプリンターはアシストや他チームのスプリンターなどと協力してグルペットと呼ばれる小集団を形成し、時間内のゴールを目指します。ロードレースでは、時間内にステージをゴールしないと次のステージに出場できないので、ポイント賞を狙う選手はできるだけ体力を温存しながらゴールを目指します。

 次回は、TT(タイムトライアル)について説明します。