多趣味な社会人のブログ

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【ジロ・デ・イタリア】無表情なガビリアに見るスポーツマンシップ

日本の初山翔(NIPPO)がスタート直後から単独で144㎞逃げた第3ステージ。

初日のTTでタイムオーバーとなってしまったチームメイト、西村大輝(NIPPO)の想いも背負って走ったことでしょう。初山の100キロを超える単独エスケープに、一人の日本人ファンとして賛辞を送りたいと思います。

ステージ優勝を狙うのは、第2ステージで優勝したアッカーマン(ボーラ・ハンスグローエ)をはじめ、イタリアチャンピオンジャージのヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)やガビリア(UAEエミレーツ)、デマール(グルパマFDJ)といった名だたるスプリンターの面々。残り250m地点で加速したアッカーマンをヴィヴィアーニが後ろから交わし、先頭でゴールを駆け抜ける。しかし、レース後コミッセールの映像判定により、モスケッティ(トレック・セガフレード)の走路を妨害する斜行をしたと判断され、集団最後尾へ降着となった。この判定は微妙なところで、たしかにモスケッティの走路をふさぐ形にはなったが、「わざと斜行したわけではない」とガビリも言っているように故意には思えないし、スプリント勝負においてあの程度の斜行はよく見られることである。やはり、降着の判断は厳しすぎると思う。

繰り上がりでステージ優勝を手に入れたガビリアだが、表彰式での表情は硬く、手を上げることもなかった。レース後に行われたインタビューでも「僕が望んだ勝ち方ではなかった。勝者はヴィヴィアーニ」といった内容の発言をしている。棚ぼたのように転がり込んできた勝利に対して喜びを爆発させることはなく、ライバルの正当性を認めるところにガビリアのスポーツマンシップと男らしさを感じる。サイクルロードレースは紳士のスポーツであると言われるが、優勝後のガビリアの態度からその側面を確かめることができた。