多趣味な社会人のブログ

プロ野球、自転車レース、競馬、財テク、政治経済、教育問題など様々な記事を発信しています。

選挙というより株主総会

 選挙の最低条件として、選挙権がある人に対して一人一票が保障されていなくてはなりません。18歳以上で選挙権を満たしているのに投票できなかったり、逆に、一人で何票も投票できるようでは公平性を欠いてしまいます。

 本日行われたAKB48グループの総選挙は、とてつもなく不公平な状況で行われたと言えます。総選挙について簡単に説明すると、AKBのCDに投票権が付いており、CDを1枚買うと1票をお気に入りのメンバーに投票できる仕組みです。CDは通常1枚、永久保存版を考慮しても2枚程度しか買わないと思います。ところが、お気に入りのメンバーに大量に投票するため、投票権目当てにCDを百枚単位で爆買いするファンが登場します。1人当たりの投票制限がかけられていないため、財力のあるファンが特定のメンバーに投票しまくるという現象が発生します。仮に、99人のファンがAというメンバーに1票ずつ投票したとします。しかし、1人のファンがBというメンバーに100票投票してしまえば、結果は簡単に覆ってしまいます。これでは、ファンの民意は反映されているとは言えません。むしろ、この仕組みは株式の仕組みに似ています。ある会社の株式を1株購入すると、議決権を1票手にすることができます。議決権を持っていると、会社の経営に関する決議について、投票することができます。株主総会での決議は多数決で決まるため、51%の株式を手に入れればどんな案でも多数決を通すことができます。よって、株式の過半数を所持していれば、実質的に会社を支配したことになるのです。

 AKB48グループのプロデューサーである秋元康は、金持ちファンが投票を牛耳ることぐらい織り込み済みでしょう。スマートフォンで無料の音楽を聴ける現代において、CDを売るための戦略としては、極めて有効な戦略だと思います。しかし、一部の金持ちファンによって支配されるようなグループを、多くのファンは応援してくれるでしょうか?短期的にCDの売り上げが伸びたとしても、長い目で見るとファンを失っているのかもしれません。わずか2年数か月で解散したかつてのおニャン子クラブのように、人気が落ちていると判断したら損切をするつもりなのかもしれません。いずれにしても、マーケティングの天才秋元氏の手腕に注目していきたい。