多趣味な社会人のブログ

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進路を文系に変更したきっかけ

 

 自己紹介のページでも紹介したように、中学の時に数学の魅力に気づいた私は理系の高校に進学しました。当時「普通の人になりたくない!」と思っていた私は、高校も普通科に進みたくありませんでした。ところが、こうして選んだ理数科という進路が、後々私を苦しめることになるのです。

 

 高2の冬、早押しクイズを体験するために、「エコノミクス甲子園」というクイズ大会に出場しました。「エコノミクス甲子園」というのは、金融や経済に関する知識や時事問題、トリビアなど幅広くお金に関する問題が出題される大会です。県大会で優勝すると全国大会への出場権を得られ、全国大会で優勝するとNY旅行がプレゼントされます。この大会に参加するには2人組のチームを作る必要があったので、委員会で知り合った同級生のS君(同じ高校の普通科に在籍)を誘いました。

 大会にエントリーすると、教材として証券会社や保険会社のパンフレットや、金融知力普及協会が発行している印刷物が送られてきます。これらをひと通り読んで勉強し、県大会に出場しましたが、まったく歯が立ちませんでした。ちなみに、県大会には東大進学者を多数輩出している県内屈指の進学校のクイズ研究会が大量にチームを作って出場しており、この高校のチームが優勝して全国大会に出場しました。ちなみに、うちの高校にはクイズ研究会なるものは存在せず、うちの高校から出場したのは私たちのチームのみでした。

 エコノミクス甲子園県大会で有名進学校との実力差を痛感したことがきっかけで、来年の大会に向けて金融・経済について勉強しようと思いました。まだ政治経済を履修していなかったので、先生に頼んで政治経済の教科書をもらい、独学で勉強しました。さらに、当時所属していた委員会というのは監査委員会なのです!(監査というのは経営、会計に関わる分野で、政治経済の教科書にも登場します)なんという運命でしょう。委員会というのは、金融や経済にまったく興味のない1年生の時に、余りものの中から選んだのですから。

 エコノミクス甲子園をたまたまネットで見つけたこと、監査委員会に所属していたことなどの偶然が重なり、文系の進路に進むことになりました。ところが、私のクラスは理数科のため、3年間理系の大学に進学することを前提としたカリキュラムが組まれています。そのため、日本史Bや世界史Bといった国立大学文系に進学するために必要な科目を受講することができませんでした。家庭の経済的事情もあり、学費の高い私立大学に進学することもできません。そんな中で見つけたのが、先の記事にも登場したFランク大学でした。この大学の入試は、国・英・数の3科目で受験することができます。さらに、入試の成績上位者は特待生として扱われ、給付型の奨学金を受け取ることができます。給付型とは、返済する必要がないということです。この奨学金のおかげで、国立大学より安く学ぶことができています。この大学、なんと自宅から徒歩15分の場所にあるのです!人生の重要なタイミングで、まるで神の手に導かれるかのように自分にぴったりな選択肢が目の前に現れるのです。

 世の中では、私のような選択を「文転」というようですが、私は「文展」と呼んでいます。「文転」という響きには、文系に転んだというニュアンスが読み取れます。(深読みのし過ぎでしょうか)数学が苦手で文系に逃げたとでもいうのでしょうか。ところが、「文展」と書けば、文系に展開したように読み取れるでしょう。理系の学問せいぶつを学んだうえで、それを土台にして文系に移行したのです。現役時代、数学の偏差値は70程度ありました。(反面、科学や生物といった理科の成績は惨憺たるものでした)数学の知識、論理構成を活かして文系科目を学んでおります。「文展」または「理展」を考えている高校生のみなさん、これまでやってきたことは無駄にはなりません。むしろ、強力な武器になります。周りの人が歩む進路と違ったとしても、自信をもって自分の進路を突き進みましょう。他人と違うことははず開しいことではありません。むしろ、強みになります。文系学部で数学が得意なんてあこがれの的です。

 自分自身の芯を持ち、時には偶然という名の運命に身を任せ、進路を選択してください。親も教師も、あなたの進路には責任を取ってくれません。自分を幸せにするのは自分自身の選択です。自分の人生に責任をもって生きましょう。