多趣味な社会人のブログ

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【広島カープ】何を考えているのか首脳陣

 21日の阪神戦に逆転負けを喫し、ついに貯金が底をつきました。さらに、4位中日に1.5ゲーム差と迫られ、本拠地開催どころかCS進出さえも危うい状況となっています。

 本日の試合は幸運なことに中止となり、27日に延期されることとなりました。しかし、驚くべきことに明日(23日)の予告先発は、今シーズン限りで引退する永川勝浩投手です。果たして、首脳陣は現在カープが置かれている状況を理解しているのでしょうか。4位のドラゴンズが6試合残しているのに対し、カープは残り2試合しか残っていません。しかも、4位中日との直接対決が2試合残っており、万一2連敗してしまうと順位がひっくり返ります。CS争いが差し迫った大事な試合で、引退する選手に花を持たせる神経が理解できません。

 もちろん、引退セレモニーをするなと言っているのではありません。先日行われたエルドレッド選手のセレモニーは感動的で、これからも駐米スカウトとしてカープの躍進に貢献してくれることを願います。しかし、大事な場面で先発させる必要があるのでしょうか。カープはCS進出を目指して正念場を迎えていますし、中日だってCS進出の可能性が消滅しない限り本気で挑んでくるはずです。その状況で、今シーズン1度も1軍で投げていないピッチャーを先発させる理由が分かりません。興行を優先した結果と言われても仕方ないでしょう。たしかに、引退が発表されるとその選手のグッズの売り上げが伸びたり、セレモニーを見に来る観客を呼び込むことことはできます。しかし、ファンが1番観たいのは何と言ってもカープの勝利です。高校野球であれば、一所懸命戦っている選手たちに勝敗関係なく賛辞が送らるかもしれませんが、プロチームとして戦う以上結果が求められるのも事実です。

 明日(23日)の試合が開催されるのであれば、エースの大瀬良をスライドさせて戦うべきですし、27日の試合では、必要があればジョンソン、野村、床田をスクランブルで投げさせて総力戦で勝ちに行く覚悟で臨んでもらいたいものです。雨で流れるのがラッキーと言うのは、試合が延びることで、その間に行われる中日や阪神の試合結果に基づいて戦略を立てることができるからです。消化試合であれば、引退予定の選手を先発させても文句を言う気はありません。順位が確定した以上、興行を優先させるのは当然の結果であるからです。

 

【広島カープ】このままでCSを戦えるわけがない!!

 私は今、怒りを込めて記事を書いている。今日の試合を見て怒りが湧かなければ、本当のファンではない。

 思い出したくもないが、試合を振り返ると、カープは5回までに7点を奪い、相手エースの今永をマウンドからひきずり降ろす。一方、先発の床田は5回まで4安打無失点の完璧なピッチングを披露する。ところが、6回裏にランナー二人を背負うと、5番ソトに3ランを打たれてしまう。その後も連打を浴び、代わった九里が梶谷に満塁弾を打たれて同点にされる。8回に両チーム1点ずつ加え、試合は延長戦に突入。11回裏に6番手今村がソトに3ランを浴び、悲劇的なサヨナラ負け。この試合で腹立たしく感じたことを順番に書いていく。

① 本当に総力戦で臨む覚悟があったのか?

 以前の記事でも述べた通り、この試合はカープにとってとても重要な一戦であった。結果的に同点にされてしまったが、先発に回っていた九里投手を中継ぎとして起用したのは正しい考えだと思う。問題は、ブルペンに若手ピッチャーが多数入っていたことである。そのせいで、10回にピンチを背負った今村が回またぎで11回にも登板する羽目になってしまった。

 結果的には、序盤で大量リードを奪う展開になったが、先発今永という点を考慮すると、1点を争う展開になる可能性は高いと考えるべきだろう。中村恭平やレグナルトを入れておけば、こうした事態を防げたのではないだろうか。早い段階で九里につなぐプランがあったとしても、今日のブルペン陣では8回菊池保、9回フランスアしか定まっておらず、そこにつなぐビジョンが見えてこない。中村恭平かレグナルト、どちらか一人でもいれば、7回を任せること見通しを立てることができたはずだ。おそらく、ヘルウェグをレグナルトの代わりと考えたのだろう。実際、7回に登板して1イニングを無失点に抑えた。ただ、今シーズンほとんど投げていないヘルウェグを、なぜこんな大事な試合で登板させたのかは疑問である。実績のあるレグナルトや中村恭平ではいけなかったのだろうか。CSに向けて試すのは、21日以降順位が確定してからにすべきだった。

② 打線がつながっていないDeNA相手に大量失点を許した

 この試合、DeNAは大量11点を挙げたが、タイムリーを打ったのは5番のソトと途中出場の梶谷のみである。カープの8点が鈴木、長野、曾澤、メヒアと中軸の4人によってもたらされたのを見ても対極的である。DeNA打線がつながっているように見えて、実はソトと梶谷以外はチャンスで打てていなかったのである。いくら強力なDeNA打線とはいえ、ロペスと筒香が本調子でないのなら、大量失点は防げたはずである。

③ CSを意識できていなかった

 DeNAカープ。おそらく、来月行われるCSファーストステージの対戦カードである。それならば、CSファーストステージを意識して戦うべきだし、レギュラーシーズンの1試合と考えても、2位を争ううえで絶対に勝たなくてはいけない試合なのだから状況は近いはずである。短期決戦と考えると、床田が3ランを浴びた時点で九里(またはほかの投手)にスイッチしてもよかったかもしれない。短期決戦では流れを相手に渡してはいけないため、早い段階で選手交代をすべきだ。その意味で、8回のピンチでフランスアを前倒しで投入したのは正しい判断だと思う。打たれたのは結果論であり、早めに動いたことは評価できる。しかし、早々に投手をつぎ込むにはブルペンが手薄であった。そのため、11回裏の段階では不安の残る今村を回またぎで投げさせる選択肢しか残されていなかった。

 一方で、ラミレス監督の采配にも不思議な点があった。11回の裏、ロペスが1塁に出塁した時点で代走を出さなかったことである。あの段階で、ベンチには内野手の倉本と捕手の伊藤しか残っていなかったが、1点入ればサヨナラの場面である。当然代走を送るかと思われたが、2塁に進んでも代走を送らなかった。DeNAから見れば絶対に勝たなくてはいけない試合ではないが、CSを見据えてベンチを空にするつもりで戦うかと思っただけに意外であった。しかし、CSであれば間違いなく代走を送っていくるはずである。

 

 今日負けたことで、ドラゴンズに2.5ゲーム差に迫られてしまったのも痛い。優勝の可能性がなくなったことよりも、CS進出が決まっていない状態でシーズン最後の3試合を戦わなければいけないことが辛いが、幸いジョンソンと大瀬良を先発させることができるので、3連敗はしないだろう。週末の3連戦、何としてでもCS進出に向けて逃げ切りたいところだ。

CSファーストステージをマツダスタジアムでやるべき理由

 昨日の記事で、2位になるためには勝つべき試合をしっかり勝つことが大事出ると述べました。一方、3位になってCSを横浜スタジアムでやった方が、東京ドームに近いため長距離移動を必要とせず、コンディションを整えられるから好ましいという意見もあります。しかし、CSファーストステージは絶対にマツダスタジアムでやるべきなのです。その理由について説明していきます。

 当たり前のことですが、ファーストステージを勝ち上がらないと意味がありません。横浜スタジアムでの対戦成績は、現時点で3勝8敗1分と大幅に負け越しています。逆にマツダスタジアムの成績は8勝4敗とこちらは大きく勝ち越しています。なので、何としてでも相性の良いマツダで戦う必要があります。

 また、DeNAのラミレス監督は思い切った采配が多く、短期決戦に強い印象があります。僅差になった場合、圧倒的に後攻の方が有利です。本拠地のマツダスタジアムで、有利な後攻を取って戦ってほしいと思います。

 蛇足ですが、球団の利益と言う観点から見ても、マツダスタジアムで行うメリットがあります。2試合又は3試合分の収益が球団に入るため、球団幹部としても、マツダスタジアムでCSを開催したいはずです。

 以上の理由から、CSファーストステージは何としてでも本拠地マツダスタジアムで開催する必要があるのです。

 3位じゃダメなんですか?

 3位じゃダメなんです。何としてでも2位を目指すのです。

CSはもう始まっている!

 危なかったぁ……フランスアしっかり抑えてくれよ。

 広島カープ読売ジャイアンツ終戦(25回戦)。延長10回を戦って6-5でカープの勝ち。文字に起こしてみると、「延長戦にもつれたのか」くらいにしか感じないと思いますが、試合の中身は壮絶な内容でした。

 まず特筆すべきは、広島がエースのジョンソンを先発に立てたのに対し、巨人はブルペンデーと称して中継ぎの沢村を先発させました。はい、巨人にとっては負けてもいい試合という位置づけなのです。マジック6に対して残り試合が12試合もあるため、負けたところでマジックは消滅しませんし、2位とのゲーム差も4ゲーム以上離れているため余裕があります。

 さて、約1年ぶりの登板となった沢村投手ですが、何と3イニングをパーフェクトで抑えます。このまま続投かと思われましたが、代打が送られ交代。長くても3イニングと決められていたのでしょう。ジャイアンツは4回から左の高木京介投手をマウンドに送ります。2アウトとなってから、鈴木誠也選手がレフトスタンドへ27号ホームランを放ち、チーム初ヒットが先制ホームランとなりました。ここから試合が動き出します。

 4回の裏、丸選手の27号ツーランで逆転されると、5回の裏にも1点を追加されてしまいます。完全に流れがジャイアンツに言ったように見えましたが、6回の表、2アウトから西川、菊池がチャンスを作り、鈴木、松山がタイムリーを放つというお手本のような攻撃で再び逆転します。

 7回の裏、3番手の中村恭平が岡本にタイムリーを打たれ、同点とされてしまいます。ここで、両チームにとって大きなプレーが生まれました。1アウト1、3塁のピンチでバッターはゲレーロ。中村が投じた初球を左中間に打ち上げます。浅いフライでしたが3塁ランナーは俊足の丸佳浩。迷わずスタートを切ってきました。センター西川からの送球は、ショートの中継を経てバックホーム。きわどいプレーとなりますが、球審はアウトのジャッジ。原監督はリプレイを要求。肉眼で見た限りはセーフに見えましたが、スロー映像を確認すると、一瞬タッチが先に見えます。結果は覆らずアウトとなり、大きなピンチを切り抜け、同点のまま試合は8回に入ります。

 ジャイアンツのマウンドはイニングまたぎの中川。大きなプレーがあった後のイニングと言うのは試合が動くもので、1アウト1、3塁のチャンスから松山選手にタイムリーが生まれて勝ち越します。ただ、中川をイニングまたぎさせたのが悪かったと責めるのは筋違い。この時点で巨人のブルペンには3人しか残っていなかったため、少しでも長く投げさせたいというのは普通の考え。ただ、結果的には勝ち越しを許してしまい、続くピンチの火消し役としてデラロサを投入します。巨人軍も勝ちパターンのデラロサをつぎ込み、死力を尽くした総力戦模様に。負けてもいい試合とはいえ、CSのファイナルステージで当たる可能性が高い組み合わせで、接戦を落としたとなると後々まで引きずるため、何としてでも勝ちたい試合に変わりました。

 カープの1点リードで迎えた9回の裏、マウンドには守護神フランスアが上がります。しかし、1アウトから亀井にライト前ヒットを打たれると、走塁のスペシャリスト増田大輝選手が代走に起用されます。増田を意識しすぎたのか、坂本にフォアボールを献上してしまい、1アウト1,2塁のピンチ。ここで、外角低めの真っすぐをレフトにはじき返されてしまい同点に追いつかれてしまいます。続く岡本にもフォアボールを出してしまい、1死満塁というサヨナラのピンチ。さすがに負けも覚悟しましたが、ゲレーロと大城を共に内野フライに打ち取り、試合は延長戦へ。

 10回の表、マウンドには鍵谷投手が上がります。これで巨人のブルペンには宮國投手を残すのみとなりました。広島のブルペン陣も、昨日先発した九里選手を除くと3人。確実に抑えてくれる投手陣ではないため、早く試合を決めたいところ。そんな中口火をお切ったのが野間選手。レフトへのツーベースを放つと、一昨日サヨナラ打を放ったヒーロー堂林選手がここはしっかりとバントを決めます。1アウト3塁のチャンスで、代打磯村。右投手に右打者、しかも磯村かよと思われたかもしれませんが、9回で勝ち切るつもりのベンチワークだったため、残っている野手はこの時点で曽根のみ。まさに、両チーム死力を尽くした総力戦と言っても過言ではないでしょう。ここで、キャッチャー大城痛恨のパスボール。まさかのプレーで広島が1点勝ち越します。しかし、その後は鍵谷も踏ん張り、1点差のまま10回の裏に突入。10回のマウンドは今村投手に任せます。簡単に2アウトを取った後、途中からファーストの守備についている阿部慎之助にセンター前ヒットを打たれます。しかし、1塁ランナーの阿部慎之助に代走が送られません。理由は、1番の重信に代打を送った時点で、ベンチに残っている野手が小林誠司のみとなってしまったからです。これでは代走を出すわけにはいきません。今村が最後のバッター打ち取り、試合終了。ナイターを戦うDeNAにプレッシャーを与える結果になりました。

 この試合、まるでCSのファイナルステージの戦いに思えました。巨人の先発はともかく、それ以外の選手起用は短期決戦の選手起用そのものです。いや、巨人はポストシーズンでも中継ぎ投手をつなぐ構想を思い描いているのかもしれません。そうだとしたら、単なるレギュラーシーズンの1試合ではなく、両チームにとって大きな意味を持つ試合となったでしょう。CSはすでに始まっているのです。カープとしては、この1戦をシーズン終盤の2位争い、そしてクライマックスシリーズに生かしてほしいです。

 

 15日の予告先発が塹江投手になっているのに驚いたファンも多いと思います。しかし、2位を目指すという観点から見ればまったく問題ありません。16日のヤクルト戦を大瀬良投手、18日のDeNA戦を床田選手で勝つことができれば、十分2位を狙えます。本当なら明日の試合は雨で流れて中止になってくれると嬉しいのですが、それは無理だと思うので、勝てる試合をしっかり勝ってほしいです。

 阪神か中日が3位に肉薄してくる可能性もわずかながらありますが、21日から始まる阪神、中日との3連戦は試合感覚が空いた状態で臨めるので、ジョンソンや大瀬良を先発させられますし、なんならシーズン最終盤なので先発投手を複数起用するスクランブル登板もあり得ます。まあ、そうならないことを願いたいですが。残り2週間余り、しっかり戦ってCSファーストステージをマツダスタジアムで開催できるよう全力で応援したいと思います。

 

【広島カープ】残り8試合の戦い方

 おかえり堂林!最高でーす!

 久しぶりに広島カープの記事を書きます。思えば、前回広島カープの記事を載せたのは開幕直後ですから、実に半年ぶりとなります。この間、1位から最下位までジェットコースターのように目まぐるしく順位が変動してきましたが、シーズンもいよいよ終盤となりました。残り8試合となった現在も、DeNAとの激しい2位争いが続いています。

 ここで言いたいのは、巨人に優勝を決められても構わないということです。すでにマジックが7になっているわけですから、遅かれ早かれ巨人は優勝するでしょう。まだ優勝の可能性は残っているのだから目の前の試合を全力で頑張ろう、というきれいごとを言う人もいますが、自力優勝が消滅した現在、2位を奪取することに全精力を注ぐべきです。優勝を狙うには残り8試合すべて勝つつもりで戦う必要がありますが、2位奪取を目指すならその必要はありません。DeNAの動向にもよりますが、5勝できれば2位の座を確保できると思います。2位になるためには、18日のDeNA戦は何としても勝たなくてはいけません。この日の先発投手は中6日の床田投手です。床田投手は、DeNA戦に2勝1敗、横浜スタジアムでの防御率は1.20と横浜戦に相性の良いピッチャーです。しかし、11日の中日戦では2点のリードを守れず、6回で100球を超えるなど、良い内容とはいえません。第2先発という選択肢として九里か薮田をブルペンに待機させ、この試合を絶対に取るつもりで臨んでほしいです。

 また、4位阪神の追い上げも気になるところです。まだCS進出の可能性が残されている阪神と中日は、残りの試合全力で臨んでくることでしょう。広島が残り8試合なのに対し、阪神は残り12試合、中日は13試合と両チームとも試合数を多く残している点も気になります。4位阪神と4.5ゲーム離れてはいますが、連勝連敗があればすぐに追いつかれる数字です。Bクラス転落だけは何としても避けなくてはなりません。明日からの巨人戦は、2試合のうち1試合勝つつもりでいいと思います。

 シーズン最終盤を戦う上でカギになるのは、ベテランの活躍です。巨人でレギュラーとして活躍していた長野選手や、尻上がりに調子を上げている松山選手が若手を引っ張ってくれれば、シーズン最後まで良いムードを保つことができるでしょう。リーグ4連覇は厳しそうですが、CSを良い形で迎えられるよう、シーズンを最後まで戦い抜いてほしいと思います。

【私が自転車競技を愛する理由】 7.環境にやさしい乗り物

 前回まで、レースの展開やチームについてお話ししました。今回は、自転車と言う乗り物自体についてお話ししようと思います。

 自転車は、自動車やバイクと違い燃料を消費しないため、環境にやさしい乗り物だということができます。しかし、日本国内の道路は自転車にとって走りやすい環境とは到底言えません。日本中の道路を自転車が走りやすいように整備し、移動手段としての自転車が普及することを心から願っております。そのためにも、来年の東京オリンピックで実施されるロードレースを機に自転車競技の面白さが認知され、自転車に乗る人が増えてほしいと思います。自転車の行動範囲は狭いじゃないか、とおっしゃる方も多いと思いますが、ロードレースでは1日で250㎞程度走ります。さすがに、一般の方が自転車で100㎞以上走るのは過酷だと思いますが、数10㎞程度なら走れると思います。

 チームスカイ(現イネオス)は、2018年のツールを海洋生物にダメージを与えるプラスチックの使用制限を呼びかける特別ジャージで走りました。総合優勝を飾ったスカイが環境保護をアピールすることは、全世界に影響を与えることだと思います。

 毎朝満員電車に揺られて通勤するのではなく、自転車に乗って健康的に通勤する文化が広まってほしいです。みなさんも、ぜひ自転車という乗り物をもう一度見直してみてください。

 

【私が自転車競技を愛する理由】 6.スポンサー

 ロードレース大会に出場するためには、宿泊費や人件費、機材費など多額のお金が必要です。1年間ワールドチームを運営するためにかかる費用は、10億円以上と言われてています。それらすべてをレースの賞金で賄えるわけではないので、資金を提供してくれるスポンサーの存在は欠かせません。

 しかし、ロードレースのスポンサーになりたいという企業は多くありません。なぜなら、ロードレースは沿道で観戦できるため、ほとんどチケット収入を得ることができないからです。したがって、スポンサーの主な目的はブランドをアピールすることといえますが、数億円の投資に見合う効果が得られるのかは疑問であり、チームの成績が振るわないと宣伝効果が少なくなってしまいます。

 ロードレースのスポンサーは頻繁に撤退しています。スプリンタチームとして名を馳せている「ドゥクーニンク・クイックステップ」ですが、2014年シーズンは「オメガファーマ・クイックステップ」というチーム名でした。それが「エティックス・クイックステップ」、「クイックステップ・フロアーズ」という名称を経て、現在の「ドゥクーニンク・クイックステップ」に繋がっているというわけです。プロ野球でも、大洋ホエールズ横浜ベイスターズになり、横浜DeNAベイスターズへと変遷していったわけですが、プロ野球チームの名称が変わることは滅多にありません。クイックステップのように、ツールドフランスで活躍する強豪チームでさえもスポンサーが長くついてはくれないのです。

 昨年衝撃的だったのは、ツールドフランス総合4連覇していたチームスカイのスポンサーが撤退してしまったことです。幸い、イギリス化学大手イネオスがスポンサーとなり、チームが解散することはなく、今年のツールでは若手の有望株ベルナルがマイヨジョーヌ(総合優勝ジャージ)を獲得しました。イネオス(旧スカイ)には、総合優勝を狙える選手が多数所属しています。イネオスは、プロ野球界に例えると巨人のようなチームです。その巨人が資金集めに奔走しているのですから、ロードレース界は大変な状況であると言えます。

 ここまで芳しくないニュースをお伝えしてきましたが、ここで良いニュースを書くことにしましょう。カベンディッシュやボアッソンハーゲンが所属する「ディメンションデータ(南アフリカ)」ですが、来シーズンから「チームNTT」となります。これは、2010年にNTTがディメンションデータを買収し子会社化したことがきっかけとなっています。「NIPPOヴィーニファンティーニファイザネ」も日本企業のNIPPOがスポンサーをしていますが、格付けはワールドチームより低いプロコンチネンタルチームです。日本企業がワールドチームの単独スポンサーとなるのは、NTTが初めてです。チーム国籍は南アフリカのままになると思われますが、日本人選手が所属し、ツールに出場することも考えられます。

 実は、今年のツールでもNTTのロゴが国際映像のテロップに出ていました。これは、オフィシャルテクノロジーパートナーとして、レースの情報を全世界に配信していたからです。Jスポーツの放送でも取り上げられていたように、日本人選手の出場だけでなく、日本企業がスポンサーとなって国際映像で取り上げられることも話題に上ります。そう考えると、日本企業のスポンサー進出はとてつもない宣伝効果があるのではないでしょうか。ロードレースを見る際、選手だけでなくスポンサーにも注目すると、より一層楽しめると思います。

 次回は、環境問題への取り組みについて解説します。